家人の健康のために、合板・ビニルクロス・石膏ボード・接着剤を極力使用しないというコンセプトの家を建てました。
古くからの作り方をするところ、現代の作り方を自然材料に置き換えるところ等があって手間暇が掛かっていますが、そのぶん素晴らしい家造りが出来ました。
外部
屋根 : 和形銀いぶし瓦(耐熱耐風) 丸栄陶業㈱製
外壁 : 窯業系サイディング t=16金具留 ニチハ㈱製
古い木造住宅を取壊し、少し大きく新築しました。
屋根はシンプルな切妻屋根。瓦はいぶし瓦葺き(J形)
外壁は横リブの窯業サイディングとダークグレーの軒幕板で水平線を強調しています。
周りは既存車庫や隣地境界が迫っておりますが、その分内部は余裕のある間取りです。
通風と採光のため坪庭を設けました。
黄昏時
内部
玄関ホール
床 : ケヤキ無垢板 W450
壁 : 土壁下地 珪藻土 ジュラク仕上
天井 : 杉無垢板 W450 ヤマト貼/目透貼
柱 : 東濃ヒノキ 4寸角(12cm)床 : ケヤキ無垢板 W450
壁 : 土壁下地 珪藻土 ジュラク仕上
設計者寄贈の靴脱ぎ鞍馬石。
近年ではこれほどの本物の鞍馬石は大変少ないとの事です。
玄関ホールのケヤキ無垢板張りはさすがの迫力。
ケヤキと言う木は硬くて、かつ狂う(湿気等により変形する)力が強いので、床を張った大工さんも相当難儀していました。
床に圧倒されますが、天井の杉無垢板もなかなかの物です。ここでは、目立たずおごらずあっさりかつシャープな名脇役です。
内部はほとんどの部屋が真壁で、柱があらわし仕様となっています。
外壁・間仕切り共、大部分が竹小舞に荒壁。
荒壁は構造壁であるとともに、柱や梁等の木材と湿気をやりとりして建物の調湿をしてくれます。
竹小舞 竹を編んで土塗りの下地にします。
荒壁 わらの入った荒壁土を塗りつけて十分に乾かします。
このような、昔ながらの時間と手間のかかる家造りは贅沢なものとなって来てしまいました。
中塗り この上にジュラクを塗って真壁の完成です。
荒壁で収め切れなかった細かい壁の下地には部分的にラスボード(塗り壁下地用石膏ボード)を用いてますが、それ以外は石膏ボードを用いていません。
玄関ホール突き当たりに見える坪庭は水周り各部屋と後ろの石張り目隠し壁で構成されています。
大きな窓と雅なすだれの向こうに見える若いもみじの木が涼やかです。
リビングダイニング
床 : パイン無垢フローリング オスモフロアクリアー塗装
壁 : 土壁下地 珪藻土 ジュラク仕上(写真は中塗りまでの状況)
天井 : ひのき無垢羽目板
南に面したリビングダイニングは対面型キッチンとつながった団らん空間です。
壁は例によって真壁ジュラク塗りですが、板張りの天井と床によって、旧来の和風にとらわれないスタイルの部屋となりました。
ソファとテーブル・食卓や椅子など、家具が入ると別にある和室との対比で洋風の部屋に見えてきます。
床はパイン(松)の無垢フローリング。節板ですが、コンセプトに倣って集成材でない床材です。
床の下張りには合板を使わず、厚さ1寸(30㎜)の荒板を張っています。
天井はヒノキの羽目板(面取り本実)で、上小無節・幅133㎜。穏やかな木目と心材部分のピンク色が優しい印象です。
この写真では壁のジュラク塗りがされていない中塗りの状態です。当建物は施主様の了解のもと中塗り(ジュラク仕上未施工)の状態で引渡し、半年ほど乾燥させた後にジュラク仕上施工しました。
木材と壁の湿気が十分抜けていない状態でジュラク塗りをすると、施工後に柱等の木材が乾燥収縮してちり切れ(塗り仕上と木材の境目に隙間が出来てしまう)してしまうためです。
新築の家に引っ越して半年住んだ頃に、また家具を動かして家中を左官職人に作業させる訳ですから、お互い不快な思いをすることも十分考えられます。それでも本件では施主様に快く理解いただいて半年後に施工し、美しく仕上げることが出来ました。
キッチン
床 : パイン無垢フローリング オスモフロアクリアー塗装
壁 : キッチンパネル/ヒノキ準不燃羽目板 ㈱丸七ヒダ川ウッド製
天井 : 杉ツキ板不燃合板 岡田銘木㈱製
システムキッチン : ナスステンレス製
キッチンは対面型のシステムキッチン。壁はキッチンパネルと準不燃の羽目板張りです。
壁が真壁でないのはキッチンと洗面所・トイレの一部くらいで、あとは収納スペースまで徹底的に真壁仕上げです。
写真中央奥に見える造り付け食器棚の扉はステンドグラスです。
フランク・ロイド・ライト風のプレーリースタイルなのだそうで、工房で製作してもらいました。
書斎の書庫の扉にも大きなステンドグラスを入れました。
概要
愛知県碧南市 S邸
木造平屋建て専用住宅
床面積 約140㎡(約42坪)